レンヤ隊と三姉妹のデュエル理論講座 魔法と罠と制限カード |
さて、前回ではデッキ内のモンスターカード数について述べたので、今度は魔法・罠の枚数だな。 | |
あのぉー、レンヤさん、あれは…… | |
罠カード発動!(ニヤリ) 落とし穴!! | |
リアル罠を整備場に作らないでください素手でぇぇぇぇぇ! | |
…早速罠に落ちてる人がいる | |
……まあ後で埋めておく | |
(ええっ! それって僕を助けてからですよね! ねえ!) | |
かように、OCGの代名詞として使われることもある罠カードだが、デッキにおける枚数はおしなべて少なめだ | |
40からモンスターの枚数を引いて、魔法・罠合わせて20〜22枚ぐらいだよね? その中で罠はどれぐらい? | |
当然デッキによって違いがあるが、使いやすさを考えると5枚以下を推奨する | |
少なっ! | |
何故ですか? | |
理由は二つある。 まず一つ目だが、罠カードは引いたターンに使うことはできず、一度伏せて相手のターンになってからしか使えない | |
罠だもんね | |
使用可能になる時には使いどころが減っていることも多いし、そもそも使用可能になる前に破壊されてしまう可能性も高い | |
いわゆるエンドサイク(カードが伏せられた時、エンドフェイズにそのカードを《サイクロン》で破壊すること)ですね | |
二つ目は、罠カードを完全に封じることが容易だということだ。 《王宮のお触れ》《人造人間サイコ・ショッカー》など、極めて使いやすいカードで完全にシャットアウトされてしまう | |
でも、それ使っちゃうと自分も罠使えないんだよね? | |
使わなきゃいいんだよ、エウお姉ちゃん | |
う、シビア…… | |
そういうことだな。 魔法カードを完全に封じるカードもあるが、《ホルスの黒炎龍LV8》《マジック・キャンセラー》など、若干難易度が上がる。 | |
じゃ、罠カード不利じゃん! しゃっとあうとするカードなんて禁止しちゃえばいいのに! | |
微妙なバランスの問題で、そうすると豊富な罠で相手の攻撃を封じ切るロックデッキが強くなりすぎたりするな | |
それは、みんなフラストレーション溜まりそう… | |
ガーッ! あたし相手にロックデッキを使ってきた奴! 藤宮流ヘッドロックをカマしてやるからな! | |
…何それ | |
そっか、罠カードって相手を邪魔しちゃう効果が多いから…… | |
お互いの目論見を潰し合う戦いや、時間が長くかかる戦いが増えることになるだろうな。 | |
なるほどー。罠は大体みんな少なめ、ぐらいの方が楽しく遊べそうだね! | |
じゃ、少しでも罠カードを入れる意味というのは? | |
対応性の遅さをカバーするほどの効果を生んでやればいい。麻雀で言う、速さと引き換えの打点だ! | |
…また野球の話? | |
いや違うがまあいい。 さて、残りは魔法カードだが……幅が広すぎて、全般的な話は難しいな。速攻魔法や個別のデッキ・カードの講義に譲るとしよう | |
枚数は、今までの流れだと15枚弱ぐらい? | |
そうだな。だが、あまりこだわる必要はない。 どのデッキでも見ておくべき枚数は、上級モンスターと罠の数ぐらいだな。後は、まさにデッキ次第だ | |
それで、後半の制限カードの話だけど… | |
ではそちらに移るか。知っての通り、このゲームには禁止・制限・準制限という三つの制限が存在する。 | |
半年にいっぺん変わるんだよね | |
普通のカードは3枚まで投入可能だが、それぞれ、制限がかかっていると、使用禁止・1枚まで可・2枚まで可ということになる。 | |
強いから、そうなったんだよね? | |
だいたいな。だから、迷ったら制限カードを入れておけ、というのは昔からよく言われていることだ。魔法・罠は特にな | |
むしろ、入れてないと弱すぎるような… | |
実はそうでもない。少なくとも、随分とマシになったもんだ | |
そうなの? | |
確かに、今でもほぼ絶対に入れた方がいいカードと言われるは制限カードにいくつかある。 例えば、《聖なるバリア−ミラーフォース−》や《激流葬》のような1枚で大量のモンスターを吹き飛ばすカード | |
あ、これが罠カードの打点ってやつだね! | |
魔法・罠カード破壊の最強の基本、>《大嵐》《サイクロン》。蘇生の威力《死者蘇生》《早すぎた埋葬》 | |
うんうん、よく見るよく見る | |
やはり、どのデッキにもとなると魔法・罠の方が合うが、 モンスターでも《クリッター》のサーチ、《メタモルポッド》のドロー、大型殺しの《N・グラン・モール》とかはよく使われるな | |
絶対入れなきゃ、って思っちゃうよね… | |
それは、思うべきじゃないな。 スペースが余った時や、足りない要素を埋める時には積極的に使ったらいいが、無理に入れることはない。 例えば、前の講義のデッキだが…… | |
バニラのやつ! | |
そうだ。《死者蘇生》は相手のモンスターの効果を知っている必要があるので入れていない。 《大嵐》は入っている。使いどきが分かりやすいし、ロック打破もできるしな | |
うん、使ったよ! | |
説明には、《聖なるバリア−ミラーフォース−》を使おうか。 確かに強力だが、このデッキには代わりになるカードが入れてある | |
わかった《ジャスティブレイク》!! | |
でも、条件が厳しいし、ミラーフォースの方が強い… | |
通常モンスターが攻撃表示でいる、という条件は一般的には確かに厳しいが、バニラばかりのデッキではそうではない | |
うん、何回も使えたし、強かったよ? | |
さらに、このカードは相手の守備表示モンスターもなぎ倒すことができる。 《マシュマロン》などをあっさり破壊してしまう威力は、ミラーフォースにないものだ。 | |
あ、制限カードよりも強い場合ってあるんだ… | |
加えて、何が有利か不利かは深いところでは何とも言えないものだ。 例えば、ミラーフォースを入れていないデッキには、 相手に「ミラーフォースがまだ使われていないから警戒が必要」と思わせる働きがある | |
うわっ、そんなとこまで読むのー!? | |
あまりないことだが、魔法カードの場合、《二重魔法》で相手に利用される場合もありうる。 『強いカードを使ったこと』で負ける、という可能性もないではない | |
…どう転ぶかはわからない、と | |
そうだ。だから、制限カードを使う時、ミラーフォースを入れてないデッキは手抜き、のように考えたり、 蘇生カードは《死者蘇生》が一番強いから他のカードは見ない、のように思考停止するべきじゃないってことだ | |
か、かんがえつづけろってことだね? | |
…勉強になりました | |
おーい! ちょっと来いアスパラ軍団ー! | |
アスパラ軍団… | |
どしたの、ルルミー姐さん? | |
穴に落としたウィーが考えるのをやめたらしい | |
思考停止…? | |
それはかの究極生命体の思考停止な気がするぞ…… | |
おーい! ウィーさーん! ……深すぎてよく見えないよ | |
あいつが下に溜まってるのは間違いない | |
ウィーさんが落とし穴の下に溜まってる? | |
つまり……《ウィーさんの溜まった落とし穴》? | |
ちゃんちゃん | |
(奇麗にまとめないでくださーいっ!!) |
続く。 |