レンヤ隊と三姉妹のデュエル理論講座
第三章 アドバンテージ(仮題)

さて今回のテーマは、デッキ作成にもプレイイングにも欠かせない再重要テーマ。
アドバンテージ
あっと……バンテ−ジ? なにそれ?…
相手より優位にあるってことだよ、エウお姉ちゃん。
アドバンテージにも色々あるんだが、一番の基本は、カードの枚数の優位を示すカード・アドバンテージ
こちらは何枚消費して、相手の何枚を消費させられるか、という非常に重要な話だ。
ぅぅー。難しそうだよー。
できるだけ簡単に説明してやるから。逆に、何も知識のない素の状態で聞いてほしいぐらいだ。
素?
そうだ。エウリア、お前は色々なカードの知識を忘れた……
ただしルールはちょっと分かるぐらいのそういう理解量という想定で頼む。
そういうふりをしろってことね! ばっちりだよ!
…もともとじゃないかな?
じゃあ、このカードを見て素の心で思うことを語ってくれ。
《はさみ撃ち》
通常罠
自分フィールド上に存在するモンスター2体と
相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して破壊する。
えっと、わかったよ!
これは相手の強いモンスターを、こっちの弱いモンスター二体を使って倒しちゃうカードだね!
うん、これがうまく使えば強いカードって奴だね!
え…
うむ、完璧な素の心だ。
ルルミ−姐さん、見て見て!
これTUEEEEEE!!
あー、次行くぞ。
《死者への手向け》
通常魔法
自分の手札を1枚捨てる。
フィールド上のモンスターを1体選択し、そのモンスターを破壊する。
むむ、これは手札1枚で相手のモンスター1体を倒しちゃうんだね、バランス良さそう!
もっとTUEEEEEE!
お、ほんとだもしかしてさっきのより強いんじゃない?
もしかしてとかじゃないんだけど。
次がラストだ。
《地砕き》
通常魔法
相手フィールド上の守備力が一番高い表側表示モンスター1体を破壊する。
え、これなんにもなしで相手のモンスター倒せちゃうじゃん!
TUEEEEEEEE!
まだ言ってる…
レンヤさん、これお得すぎるよ! 禁止カードにぶち込もうよ!
BU・TI・KO・ME!
そう思うような順番で見せたからな。
確かに《地砕き》は強力なカードで現在は制限カードだが、
「何も無しで相手のモンスターを倒すカード」ではない。大事なものを一つ消費している。
えー、してないよー!
とりあえず、それらのカードを入れてデュエルしてみな。そうしたらわかる。
やろう、お姉ちゃん。
うん! デュエル!
ただいまデュエル中
負けたー! 三回とも、かんぷなきまでにー!
感想はどうだ?
この《はさみ撃ち》って、そもそも使うことも難しいよ!
それに、使ったら一気に押し負けちゃったし!
他はどうだ?
うーん、《地砕き》だって、それだけじゃそんなに有利って気はしなかったね。
あと《死者への手向け》を二枚連続で使ったんだけど、手札なくなっちゃって……
そこが重要なポイントだな。
《死者への手向け》は一枚消費して相手の一体を倒すカードのはずだろ?
なぜ相手より手札が著しく足りなくなる?
え、えええ? る、ルルミ−姐さんぱすっ
任せな! こいつがお前のカードをアスパラ畑に隠していたのさ!
やめろ、頭をむしるんじゃない!!
メディ、わかる?
枚数のことならわかるよ。だって、《死者への手向け》のカードそのものも一枚だもん。
え? えっと、一枚捨ててそれで……あ、ほんとだ! 二枚減ってる!
そう、その意識が重要だ。
このゲームは1ターンに1枚しかドローできないし、そう簡単にカードを増やすことができない。
その使用したカードそのものも貴重な枠を使って引いてきた、 大事な一枚、ということだ。
つまり、このカードは、「二枚手札を消費して、相手のモンスター1体を倒す」カードということ…だね?
一枚損してるんだ!
そう、これがいわゆる「2対1交換」
それによって一枚のディスアドバンテージ……マイナスのアドバンテージを得るということだ。
より軽い言い方なら、「一枚アド損してる」、ということになる。
うわ、だめじゃん!
それだけで測れる話というわけでもないがな。
相手のモンスターの状況によっては価値は増大する場合があるし、
こちらが手札を捨てることで有利になる場合もある。
それが、他のアドバンテージ?
そう、ボード・アドバンテージ、とか墓地アドバンテージ、というようなものだ。
が、とにかく今はこの単純な枚数のアドバンテージをしっかり意識するように。
わかりました!
ってことは、《地砕き》「1対1交換」
そうだ。強いのは間違い無いが、枚数の減りはお互い同じ、ということだな。
《はさみ撃ち》は! 《はさみ撃ち》はどうしたーっ!!
えっと、「3対1交換」で……
使用できる場面も限られているうえに、
使ったとして召喚の手間をかけたモンスターを相手より一体多く失い、
その後のフィールド上の状況も絶望的。
加えて、すぐ使えない、無効化されやすいという罠カード特有の弱点もあるな。
罠カードの持ち味である奇襲性は、まあこの使用条件じゃあ発揮できまい。
うわぁ、こりゃあだめだね……
わかったな? これで、アドバンテージを軸にカードを見ていくことができるようになったはずだ。
んじゃあ一つ練習問題だ。
《デステニー・ドロー》
通常魔法
手札から「D−HERO」と名のついたカード1枚を捨てる。
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
まずカード・アドバンテージをしっかり見て、その後他の要素も見てみな。
できました!
カード
アドバン
テージ
一枚捨てて二枚引く。このカードも消費するから、「2対2交換」!
それ以外捨てたカードがどっかで生きるかも!?
前半はいいんだが……じゃあメディ、後半を頼む。
うん。
マイナス
要素
D−HEROが手札にないと使えない。
プラス
要素
D−HEROのレベル6モンスターは墓地にあることで効果を発揮するため、捨てた方が有利。
あと、D−HEROのレベル8モンスターは墓地からは特殊召喚できないので、
捨てた場合マイナス要素になるしれないけど、
でも手札に余ってる場合は捨てて交換しちゃった方がいいから……
どちらとも言えない、だな。なかなかいいぞ。
凄っ! あたしそんなとこまで考えてないよー!
まあ、まず「2対2交換」が分かれば今日は合格だ。
ドローカード……しかも最高峰のドローカードだが、手札の枚数は増えていないってことだ。
……あ、ほんとだ!
それからも分かるように、少なくとも今の環境では、手札はほいほい増やせるもんじゃない。
相手より一枚優位に立つことを目指すことが大事、というわけだ。
増えるわけじゃないのに、このカードを使う理由は……
そか、いらないやつを交換したり、墓地に送りたいやつを送ったり……
欲しいカードを早く引けるようにデッキを圧縮したり、だね。
よし、そういう風に考える癖がついたな。今回は合格だ。
よし、呑みに行くぜ!
おー!
てめーは何も役に……っておい。そういやてめーをいつも抑えてるウィーはどうした?
…そういえば今日は見てない。
(悲しそうに目を伏せ、首を振る)……会いに行くか?
…え。
よし、じゃあウィーの所に移動しながら次の講義だ。
ちょうどいいから、墓地と除外の話をするぞ。
…まったくちょうどいいぜ!
……。何がちょうどいいんだろ……
どしたのメディ? 早く行こうよー!
次回、ウィーの死亡確認!? ……続く。